「救われなさい」  07.05.27
              使徒言行録2:36〜42

 最初のペンテコステの日、聖霊なる神さまがなさったことの
第一は、弟子たちに言葉を与え、福音を語る者にしてくださったと
いうことでした。

 第二は、聞く者の心を揺り動かし、福音を受け入れる者にして
くださったということでした。
 聖霊によって語り始めた弟子たちの言葉を聞きながら、人々は、
あっけにとられ、「ぶどう酒に酔っているのだ」と言ってあざけりました。
 ペトロは、そのような人々に語り続けました。「あなた方が十字架に
つけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです。」
(36節)と語りました。それを聞いた人たちの中から「わたしたちは
どうしたらよいのですか」と問う者が出てきたというのです。
 ペトロの告げた罪深さの指摘を、自分の罪として受け止め、救いを
求めはじめたからです。あざける者が、救いを求めはじめたのです。
 ここに、聖霊なる神さまが起された奇跡があります。
 人が、罪に気づいて救いを求めはじめるということは、不思議な
ことです。自分の外からの力によって心が揺り動かされることで、
起される心でしょう。
 「どうしたら…」との問いに、「悔い改めなさい。洗礼を受け、罪を
赦していただきなさい。」との答えが与えられます。

 第三は、洗礼を受けた者に罪の赦しを与えるとの宣言が、人類に
向けてなされたということです。洗礼を受けることで、人は新しく
生まれ変わり、まったく別の人間になります。それは、性格、態度、
生き方などが良くなるといった、人間の側の変化ではありません。
 180度変わるのは、神さまからの人間の見え方です。罪人が、
罪赦されて罪人でなくなってしまうということです。
 それこそが、人間にとって決定的、劇的な変化です。聖霊による
洗礼を受けた私たちは、そのような者にされています。

 ペンテコステは、人を救いに迎え入れるために、人の心に
迫り、心を揺り動かし、洗礼に導こうとされる神さまの大きな
愛があるから起こった出来事です。